第4話 夏の思い出編第4話 夏の思い出編これは、一夏のパートナー探しに自らの命を懸けた熱き男達の物語である。 「のお、なま太。もうすぐ、夏休みも終わるのお。」 「そうだね。でも、ドラゴえもんは、年がら年中ゴロゴロして喰っちゃ寝してるだけだし、近くの駅に歩いていくのさえ億劫がるようなぐうたらな怠けモンだから、夏休みなんか関係無いんじゃないの?」 「なんやとーー!!!ワシの足はデリケートやねん!車か少なくとも自転車が無かったらダルくて出かける気にもならんわ!ほっとけ、そういうことは!突っ込むんやない!!」 「良いじゃない、羨ましいよ、年がら年中夏休み状態なんてさ。」 「良くは無い!この歳の夏休みは、この時限りや!いつもゴロゴロしてるからと言うて、今のこの時期を無駄にする訳にはイカン!!」 「・・・・・・・、どうしたの、ドラゴえもん?言ってることがまともなんだけど??昨日のパンに仕込んだ青かびが効いてきたとか?」 「ワシがまともなこと言うたら、おかしいんかーー!!!??? ちょっとマテ!!!パンになにを仕込んだって!!!???」 「いやその、カマンベールチーズっぽくしようと思って青かびを・・・。」 「んなモン喰わすな!!死んでまうやろ!ワシの身体はデリケートやっちゅうねん!!」 「今までの分は、大丈夫だったのに?」 「い、今までの分って、どういう・・・??」 「ちょっと、ドラゴえもん、いい加減に本筋に戻らないと話が続かないじゃないんじゃない?」 「そ、それもそうやな。しゃあない、話を進めよか。」 「気にしない、気にしない!ドラゴえもんも、いつもより美味しいって褒めてたじゃない!」 「ああ、そういう事もあったなあ、って!アレがそうかい!!!ま、まあ、この件は、後でシバくとして、話進めよか。」 「で、夏休みも終わるから、なんだって?」 「そうや、一夏の思い出を作るんや!」 「はいはい、勝手に作ってきて。」 「コラ!なま太のくせにワシを適当にあしらうんやない!お前も協力するんや!!」 「えー!なんでボクがそんなことを手伝わないといけないのさ!」 「お前はワシのシモベやからや!」 「ドラゴえもんの彼女作りを手伝うのなんて嫌だよ。一人で、その辺の野良猫でも口説いてきたら?」 「アホ~!ワシは理想が高いんじゃ!猫なんか相手に出来るかい!」 「猫型ロボットなのに?」 「ふっ、そんなことも有ったかのう。」 「なにを遠い目をしてるのさ。じゃあ、今は犬型ロボットとか??」 「なに言うてんねん!猫型に決まってるやろ!このスリムなボディーを見てみい!」 「そんな体型で彼女なんか出来るわけが・・・「うるさいんじゃーー!!!!」 ・・、ひでぶーーー!!」 「もう、乱暴なんだから、ドラゴえもんは!」 「も、もう復活したんか?なかなかやるやんけ、なま太のくせに。」 「でも、マジな話、彼女作るのって難しいんじゃない?」 「大丈夫や!こう見えても、毎日、低炭水化物ダイエットしてるから、見た目ほど太くないねん!!」 「毎晩、お酒飲んでるよね?」 「じゃかぁしぃわ!!!!ドラゴえもんが酒飲む訳無いやろ!!子供の夢を壊すんやない!!」 「太いとか細いとかじゃなくてさ、もっと大きな問題が有るじゃない?」 「なんやと!性格が悪いっちゅうんか?!この俺様の性格の一体どこが悪いっちゅうんじゃ!ええ!言うてみぃ、コラ!!おおっ!!舐めとんのか、オラッ!!こんの役立たずのボケナスが!!!」 「・・・・・・・・・・、良いと思う?その性格??」 「ま、まあ!男は性格とちゃうよな!!」 「じゃあ、なに?」 「そんなことも分からんとは、ガキやのお。ええか、特別にワシがレクチャーしたるわ!男は、顔や!!!!」 「却下。」 「なんやとーーーーー!!!!!!!最近の、世間の流行りっちゅうもんを知らんのか!?いまや、男も顔!イケメンの時代や!!」 「いや、じゃなくて、却下なのは、ドラゴえもんの顔だって。」 「なんやとーーー!!!!ワシの顔が却下やてーーー!!!!踊るで、東!!!!!」 「くらえ、鏡攻撃!」 「グワーーー!!!!!なんや、この顔は!!キツイ!キツ過ぎるで!!!この世のものとは思えんわ!!」 「どうだ、参ったか?」 「くくくく、なま太に負けるとは、これ以上の屈辱はないわ!誰が降参なんかするかーー!!」 「じゃあ、両手に鏡攻撃!」 「参った!降参するわ!!!」 「早かったね?」 「いやな、実はもうギリギリやってん。」 「男は顔じゃ無いでしょ?」 「ハイ、ワカリマシタ、ナマ太君。」 「誰、君?」 「なに言うてんねん、ワタクシに決まってるやろ!!ちょっと、嫌なもん見てもうたから記憶を消去してるんや。」 「はい、鏡攻撃!」 「やめんかい!!分かった、男は顔と違う!」 「じゃあ、なに?」 「男の価値、それは力や!!力こそ、すべて!力こそ正義!!勝てば官軍!!正義は勝つ!!!」 「なんか、微妙にずれてってるような気がするんだけど?」 「そんなことは、どうでも良い!これでどうや?ワシの偉大さが分かったか?」 「うん、分かったよ。」 「よ~し!それなら、付いてこい!!ピチピチギャルをゲットしに行くで!!」 「うわぁ~、むっちゃおっさん臭いセリフ!」 「なんやと!オッサンは臭いやと!週末どんな目に遭うか分かってるやろうな!!」 「誰に向かって言ってるの?」 「なんでもない!ほなら、行くで!」 「どこへ?」 「何処って、ピチピチギャルの・・・」 「ドラゴえもん、ロボットなんだから、彼女作ったって、意味無いんじゃないの?」 「がが~ん!!!!なんちゅうことを!なんちゅうことを言い出すんや、お前は!!!それを言うたら、ロボットのくせに雌猫に夢中になってるドラえもんの立場はどないなんねん!!」 「いや、あれはアニメだから良いんじゃない?」 「じゃあ、ワシも・・・」 「これは、ブログだしねえ。」 「ブ、ブログやからって、差別するのか?!酷い!!!ワシはただ、きれーなねぇちゃんと一夏のアバンチュールを楽しみたかっただけやのに!!」 「うわっ!オッサン臭いセリフ!」 「そ、そこまで、このワシを怒らせて、タダで済むとは思っとらんやろうな?」 「喰らえ!鏡攻撃!!」 「ひでぶ!!!!!!!!!」 「ふっ、悪は、滅んだな。死して屍拾う者無し!!椎ずかちゃんちに遊びにいってこよう~っと!」 かくして、ドラゴえもんの野望は無事、阻止された。 しかし、この世にオッサンのいる限り、第2、第3のドラゴえもんが現れるかも知れないのだ! 頑張れ、ナマ太!今回は、まるで主役みたいやん。(笑) 次回、ドラゴえもんの逆襲に、ご期待下さい! |